「図書館の魔女」「図書館の魔女 烏の伝言」を読んで
「スゲー厚! でも気になる。
まず、1巻だけ買ってみるか」
で始まり、あとはチェーンスモークのように次の巻を求めてこうなった。
すごい!っていっても、多分みんな絶賛してるのだろうから今更って感じかも。
いったいどんだけ博覧強記な凄い人が書いてるのだろう。
分量も分厚いが、空間的にも時間軸的にも情報量が圧倒的に分厚い。
しかも小さな仕草から大きな仕掛けまで、精緻に伏線が張り巡らされている。
見事なミステリー仕掛け。
それでいて、キャラクター小説だった。
一人ひとり色がついているかのように感じられるほど濃い。
誰を立てるか誰を抑えめにするかといった、色?の強弱の付け方があって巧みだ。
もはや大河ドラマに近い感じだ。ってあんまりドラマ見てないけど。
手に汗握るほどのアクションシーン。
「烏の伝言」ではもう半分以上ドキドキハラハラさせられた。この厚さで始終ドキドキハラハラだよ!
個人的に興味をそそった箇所がある。
「図書館の魔女」三巻にある「魔導書」にガチで言及しているところである。
オカルト好きなら誰でも知っているような類の本の名前がズラリ出てきて、
全部こき下ろす!(笑)
ぼくはこれを読んで「エメラルド・タブレット」に抱いていたファンタジーが全部吹っ飛んでしまった(爆)
魔術が出ないどころか全否定するファンタジーっていったい!?
だからこのシリーズは、ファンタジーよりよっほど大河ドラマに近いのだ。
それだけではない。
「図書館の魔女」はボーイ・ミーツ・ガールの切なさで、「烏の伝言」は厚い熱い人情で最後を染め上げる。
って、どんだけ破格な小説なのだろう。