ささやかアウトプット

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「インヴェンション・オブ・ナレッジ」アンダーソン/ストルト

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ぼくはカイパのファンだ。そしてイエスの超大ファンだ。

だからというわけではないが、この「インヴェンション・オブ・ナレッジ」は最高だった。

既にマイ本年度ベストプログレアルバムだ。ってなんのことだかわからんが、想像をはるかに超える作品だったからたまらない。

聴くというよりもはや「体験」。これこそ自分的にはプログレの醍醐味そのものだ。

ライナーノーツには「王道プログレを目指さない」スタンスで進めたとあるが、この音世界は仰々しさとは対局的であり、内省的なくらい繊細な振動数の高い(?)透明な音世界である。

 

アンダーソンの声は直接心に語りかけてくるような実在感が出ている。(もちろん何いってるかはさっぱりわからない(笑))

それにしてもロイネ・ストルトのお仕事は素晴らしい。仲間たちも素晴らしい。

彼のギターのトーンは言うなれば「剛直」で強い音といったアク強めだとぼくは感じていたが、ここではアクセント付けとしてしなやかにボーカルを支え、引き立てるスタンスになっている。

ここに感じられるのは、アンダーソンに対する崇敬の念と、それに自分の出来る限りを捧げた「愛」のような音だ。

ぼくはロイネをカイパ、ソロの「フラワー・キングス」からバンドのフラワー・キングスと追いかけていたけど、ハイペースで2枚組リリースの嵐に懐的について行けなくなってしまっていた。凄まじいクリエイティブパワーは圧倒的だった。

トランスアトランティックでマイク・ポートノイたちに見出されたところから、北欧のギタリストからワールドワイドなロイネへと次元が変わる成長をしたのではないだろうか。

 

この美しい精緻を極めたアルバムを無理やり例えれば、「海洋地形学の物語」を「究極」にある透明感を付けて少しアンダーソンのソロ・アルバムに寄せたポジションの音を現代にアップデートして作り込んだといったところかな。